読書と音楽の杜から

共同執筆ブログです。読書や音楽をメインコンテンツとして、参加者各位の問題意識に沿ったご投稿をしていただきます。

読書メモ①~宮本輝『流転の海』

f:id:Yorimichi-Online:20220710030228j:image

 

こんにちは、Showji_S です。

ぼくは毎週月曜と木曜とに、今はclubhouseを利用したオンライン読書会を開いています。月曜21時からが指定テキストの講読の会、木曜21時からがEテレ「100分de名著」を巡った歓談の会です。本稿は、その月曜の会で利用している宮本輝『流転の海』を簡単にご紹介しようというものです。

この小説は、全9部を成すシリーズの第1部であり、文庫本単巻でも400ページを超すものですので、全体では4500ページとなると聞いています。それの全巻読破を目標に掲げています。

物語は1947年(昭和22年)、既に50歳となっていた主人公・松坂熊吾に、初の実子・伸仁が生まれるところから始まります。この熊吾と伸仁とは、宮本輝さんご自身父子を模したもので、伸仁が大学に入学する1975年(昭和40年)までを描いています。

伸仁というか細い生命を見て、熊吾はこの子は20歳まで生きられるのだろうか、自分もそれまで生きられるのか、いや、生きることが自分の戦いなのだという感慨を持つようになります。

出征していた熊吾が日本に戻った時には、戦前の事業は壊滅的な状態にありますが、再建に向けて猛然と動き始めるというところまで(7月9日現在、第6章まで)を読んできています。

宮本文学は、ぼくは「業」と「使命」の文学なのではないかと考えています。人の「いのち」には、思い、成し、語ったことのすべてが刻み込まれていきます。そして、似通った者同士が引き寄せられていくのです。その様は、例えば他の『錦繍』(新潮文庫)のような小説でも綴られています。

熊吾と伸仁は、これからどんな人々とその宇宙を成していくのか楽しみです。今回は以上といたします。最後までお読みくださり、ありがとうございました。それではまた!